もっと知りたい、石狩。

例年にない大雪に見舞われた石狩の冬でしたが、
ようやく春のきざしがそこかしこに見え始めています。
GW(ゴールデンウイーク)ころにはマクンベツ湿原のミズバショウも開花するはず。

ゆっくりと歩くと見えてくるものがあります。
ふらりと訪れたお店で、思いがけず出合う感動の味があります。
実際に歩いてみて、あらためて「石狩へのプチ旅」、おすすめです。

2011年春から2012年冬まで、約一年間にわたって石狩をルポしてきた
「レポーターブログ:石狩の知っておきたい食と観光のお話」。
季節ごとに、またその地区ごとに知られざる魅力がたくさんありました。
まさに石狩再発見!の連続。
このブログがきっかけで、一人でも多くの方が石狩に行ってみたい!
と思っていただければ幸いです。

このブログ記事をまとめた小冊子が発行されました。
下記のリンクから閲覧できます。
皆様ぜひご一読ください。

小冊子「私の大好きなイシカリ、いろいろ」

最後になりますが、
取材に快く協力してくれた石狩の皆さま、
そして、このブログの読者の皆さまに深く感謝いたします。

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「新石狩ブランド」食べある記-[2]

石狩ならではの美味しいブランドとして注目される「新石狩ブランド」の
食べ歩き第2弾は「望来豚のスペアリブ丼」。
お店は花川小学校の近くにある「美食工房花」さん。住所は花畔3条1丁目。
石狩手稲通を北に進み、市役所を通り過ぎて1つ目の信号を左折すると、大きな「花」看板が目に入る。

「美食工房 花」さんは、「いしかり地産地消の店」。
市内で石狩産にこだわったメニューを積極的に提供している名店のひとつ。
石狩の「おいしい!」は、ここにあり。
お米は100%石狩産、海産物、旬の野菜など地元の新鮮な食材が堪能できる。

お店はランチ営業(11:30~15:00)と夜の営業(17:30~23:30)の2部制。
ランチメニューがすばらしく充実していて、しかもすべてコーヒー付き。と、ランチにココロ動かされるが、
目指す「望来豚のスペアリブ丼」は、夜の部のメニューだ。

店内に掲示されている「もうらいとん」のパネルは、自慢の望来豚メニューがずらり。
スペアリブ、角煮…。豚肉好きには、たまりません。
望来豚は、市内厚田区の「ノース・ベスト・ファーム」から毎月出荷される豚肉うち、
わずか1割ほどしか出荷されない貴重なブランド肉なのだ。

店内を拝見させていただいた。
座卓の落ち着いた和室は、大人数の宴席にも対応してくれそう。椅子席もゆったり。

「お待たせいたしました~」の声とともに現れたる「望来豚のスペアリブ丼」!
丼からはみ出る大ぶりのスペアリブといい、タレのつやといい、待ったかいあり。
松原料理長によると、「固くならないように焼き上げるところがポイント。
塩コショウも最小限にとどめ、肉の甘みを引き出しています」とのこと。

それではさっそくいただくとして…。う~ん、うまい!
やわらかく、コクのあるうまみがじんわりとしみている。
特に骨のまわりについた肉が、なんとも味わい深い。
ごはんとともに2口目。望来豚の最大の持ち味である脂肪の甘みと、甘辛のタレの絡みぐあいが絶妙だ。
ご飯もどんどんはかどる、至福丼。お値段は980円。

「望来豚のスペアリブ丼」は人気メニューであることと、
希少な豚肉の、しかも特定の部位だけを使うメニューなので、品切れご容赦のときもあるとか。
あらかじめ予約を入れておくと安心だ(お店は火曜定休)。
「またお待ちしています」と見送ってくださった松原料理長、ホールのやさしいおねえさん、花の女将さん、
本当にごちそうさまでした!

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札幌で石狩をちょい食べ

札幌市内の飲食店が、近郊の食材に目を向けて料理を提供するイベントがあると聞いて出かけてみた。
「冬のちょい食べ!いしかりフェア」――タイトルの「ちょい食べ」に誘われて、
札幌時計台近くにある開催店のひとつ「バルコ札幌」を訪ねた。

このお店のコンセプトは、料理からツーリズムまで地域を楽しむ「北海道バル」。
立ち飲みカウンターで飲むワインからコース料理までおいしい話がつきないバーだ。

生産者を招いての味の講座を開くなど、生産者と一緒に歩むというのが信条のお店。
メニューもそれぞれの地域ならではの食材を生かした一皿が並ぶ。

「冬のちょい食べ!いしかりフェア」に話をもどそう。
参加店15店は、いずれも札幌市内で人気のお店ばかり。石狩地方の食材をフィーチャーして提供される15皿。
バルコ札幌では「いしかりピンチョ盛り合わせ」が楽しめる。

“ピンチョ”とは、おつまみのこと。その日に仕入れる食材によってメニューが変わる。
本日は、石狩近海産のサーモンマリネをはじめ“ちょい食べ”にふさわしい盛り合わせが登場!

「石狩近海産サーモンマリネ ナスピュレとともに」

「近郊野菜のピクルス」

店内に置かれたフェアのパンフレットには、こう書かれている
――意外に知られていない事実。「札幌の厨房に石狩食材あり」――。
そうかも知れない、大都市札幌のすぐお隣には、石狩の海や畑が広がっている。

バルコ札幌の塚田シェフは、
「地域の食材をもっともっと理解したい。そう思うシェフ仲間を増やしたい」という。

スローな料理人のお話を聞きながらサーモンマリネをひとくち。
うーん、おいしー!ああ、これが石狩!と、納得。
フェアは1月19日から4日間開催される。詳しくはこちら

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「新石狩ブランド」食べある記-[1]

石狩ならではの美味しいブランドとして注目される「新石狩ブランド」。
昨年2011年12月には、地元素材を使った加工品13点が
第1号の新石狩ブランドとしてデビューした。
いずれも石狩商工会議所石狩ブランド推進協議会認定。
いわば「おいしさのお墨付き」だ。

今日は、「新石狩ブランド」第1号に認定された
「石狩望来豚アイスバイン」を食すの巻。伺ったお店は、
市内緑苑台小学校の向かいにある「アウトドアカフェ野菜香房」さん。
「いしかり地産地消の店」にも認定されているとおり、
良質な食材にこだわる、味なカフェなのだ。

店内のコーナーに置かれたストーブの炎が、ぬくぬくと暖かい。
まずは、メインディッシュとして「望来豚のアイスバイン」をオーダー。

出来上がるまでに、店内をちょっと拝見。お店の名前から“アウトドア”関連の
グッズが展示販売されている。ダッチオーブン、ランタン、鉄製のフライパンなどなど。
そういえば、店の外にはカヌーが飾られている。アウトドア派のオーナーのセンスがうかがえる。

冷蔵ショーケースには、お持ち帰り用のピクルスやドレッシングのストック。
そうそう、このお店のオリジナルデザート「石狩かぼちゃのまんまプリン」も
新石狩ブランドに認定されている。市内八幡町の有機栽培農場「ノーザンノーサン」の
有機卵(イコロラン)を使用し、かぼちゃのうまみをそのままギュッと凝縮した、
しっとりプリン。テイクアウトもできるので、超おすすめ。

そうこうしているうちに、「石狩望来豚アイスバイン」登場!
アイスバインはドイツを代表する伝統料理で、豚肉の香草塩漬け煮のこと。
ビールや白ワインとの相性は言うまでもなく。

望来豚は、厚田区の「ノース・ベスト・ファーム」で
飼育されている豚で、毎月180頭出荷されるうちの約1割しか
望来豚として出荷されない貴重な豚肉。
脂肪に甘味があり、深いうまみと柔らかな肉質を持つと
評判のプロも認めた高級豚肉だ。

オーナーのお話によると、
「10日間塩漬けにした望来豚を3時間煮込む」とのこと。
高級食材をさらにたっぷりの時間をかけて仕込む、
このぜいたくな味わいに、うっとりだ。
お値段は800円。テイクアウトもOK。

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ばらと河畔冬景色

真冬のど真ん中、1月のある日、茨戸川を訪ねてみた。
青い空に銀世界がまぶしい、茨戸大橋付近の茨戸川。

花畔大橋を渡ると、まもなく「川の博物館」。先ほどはとうとうと流れる茨戸川だったが、
博物館のあたりではすでに結氷し、ワカサギ釣りのテントがちらほら。
厳寒の吹きさらしの氷上でもテントの中は意外に暖かなのだとか。

好天に気を許していたら、雲行きが急にあやしくなってきた。
振り返ると石狩湾方面から雲がむくむく。あっという間にブリザードに包まれた。

これが石狩や空知地方にドカ雪をもたらす、あの「石狩湾小低気圧」?
西高東低の冬型の気圧配置が勢力を弱めたときに発生する、局地的低気圧として知られる。
一日に50cm~1mものドカ雪をもたらすその雪雲は、太い帯状をしているとも言われる。

空を見上げると、青い空と雪雲が同居している。海岸近くの防風林に向かってみよう。

石狩海岸に広がる天然防風林は、カシワとミズナラによって形成されている。
小樽市銭函から石狩無煙浜あたりまで断続的に連なる長大なスケール。
その距離は20kmにもおよび、カシワの天然林としては日本最大級の海岸砂丘林とされる。

カシワの葉は、春になって新芽が出るまで枯れたまま枝先で冬を越す。
林を渡る烈風に、ミズナラの幹がギーギーギシギシと歌えば、
カシワの葉がカサコソと合いの手を入れる。なんともにぎやかだ。

防風林の近くに住居があるが、こうして人々が安心して住めるのも防風林のおかげだ。
浜からの風は強烈だが、カシワやミズナラがそのクッションになってくれていると、納得。

今度は天気のいい日にスノーシューで林のなかを歩いてみたい、などと思いつつ、
ブリザードに追われるように帰路に着いた。

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辻口シェフからのプレゼント

もうすぐ、クリスマス。
豪勢にワンホールのクリスマスケーキもいいけれど、
オシャレで気軽に食べられるスティックチーズケーキは、いかが?

2010年、地域活性化などに取り組む企業「テミル」の発案プロジェクトにより、
市内のパンショップ「こむぎっこ」と辻口博啓パティシエがコラボして
「アイアシュッケ」「マフィン」「ハスカップコンフィチュール」が生まれた。
 

アイアシュッケとは、ドイツ・ドレスデン地方のベイクドチーズケーキのこと。
ドイツ語で「アイア=卵」「シュッケ=まだらの」で、
菓子の表面がまだらになることに由来している。

店によって色々なタイプがあるが、
こむぎっこの特徴は、ふんわりとしたスポンジ生地が1層目に敷かれ、
順にカスタードクリームのメレンゲ、ハスカップのクリームチーズ、
ビスケットとクッキー生地の4層になっている。
ハスカップを素材とした案は、「道産素材を使いたい」という辻口シェフの思いがあった。

辻口シェフのレシピ通りに作ることが大前提で、
窯の状態、成型などゼロからの指導を受け、
納得のいくまでレシピの修正がなされた。

水質にまで手を抜かない。
厳密で高度な技術が必要とされるため、非常に手間がかかり大量生産は難しい。

(パッケージはTシャツブランド『Laundry』のデザイナーが手がける)

「仕事をすることで個々の役割が生まれ、やり遂げることでスタッフの自信につながります。
みんな楽しみながらパン作りに精を出していますよ。」
店内からはガラス張りの作業場が見える。
「職員と一緒になって働くので、パン作りを通じて
両者の間にへだたりがなくなったことが1番嬉しいんです」
と工場長の佐藤さんは顔をほころばせた。
 

アイアシュッケは急速冷凍し販売しているので、
冷凍庫から出したら、冷たいうちに食べるのがオススメ。
フルーティーな酸味のハスカップと、たっぷりのクリームチーズは濃厚でコクがある上品な甘さ。

マフィンは、プレーン・ハスカップ・チョコチップの3種。
電子レンジで軽くあたためると、甘さとしっとり感が増す。

さらにハスカップコンフィチュールをかけると
フルーティーな酸味が加わり、大人向けの爽やかさがプラスされる。
 
家族や友人、恋人と過ごすひとときを、
スイーツたちが甘く優しく演出してくれる。

石狩市樽川にある「こむぎっこ」は、
社会福祉法人「はるにれの里」が経営する地産地消のパン屋さん。
ふんわり・しっとり食感の地麦「春よ恋」を使う。
 
(札幌北区新琴似にも店を構える)

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石狩ご当地グルメあれこれ

石狩には、「石狩鍋」「いしかりバーガー」「石狩鮭醤油らーめん」などのご当地グルメがある。
2005年、旧石狩市と厚田村、浜益村が合併したのを機に、
石狩鍋に続く名物料理を生み出す企画で誕生したのが「いしかり丼」だ。
レシピの条件は石狩・厚田・浜益の特産品を使うこと。

市民からレシピを募った結果、見事グランプリに輝いたのは八幡にある飲食店「地産地消とみき」。
札幌方面から石狩河口橋を渡ったすぐ右手にある、大きいのぼりが目印だ。

海鮮丼というと、刺身が豪勢にのっているものをイメージするが、
いしかり丼は多彩なアイデアが散りばめられている。

ウニの炭火焼きや、昆布だしに漬けたホタテをバターと塩・こしょうで焼いたもの、
その周りにニンジンのきんぴらと焼きサケのフレークをまぶす。
それらが石狩産の白米の上に敷かれ、
イクラ醤油漬けや長いも入り錦糸玉子などで彩りをそえる。
汁物には、石狩産のぼたんそば。見た目もボリュームも満点。
石狩がてんこもり丼だ!

また、‘‘石狩に新名物を’’という想いで生まれたのが、
鮭の押し寿司である「いしかりバッテラ」」だ。
場所は、花川南にある「鮨爽醇鳥ひだか(すしそうじゅんちょうひだか)」のご主人が考案した。

ネタに北海道産の天然シロザケ、米は石狩産の「ななつぼし」 を使用。
シロザケは軽く燻煙されていて、燻材の香りがほのかに香る。
サケ以外の具材もサンドされ、梅しそがさっぱり感を出し、
長いもがサクッとしたアクセントをそえる。
醤油なしでも、そのまま楽しめる味。

「無添加にこだわり、天然の塩、胡椒、砂糖だけで作られたスモークサーモンに出会い衝撃を受け、
浜益の果樹園や長いもの生産者、加工製品の方々からアドバイスや協力をいただきながら
改良を重ねていくこと2年。ようやく納得できるものが出来ました」
と語る。

光りものである「〆鯖」が苦手な方は「いしかりバッテラ」ならいけそうだ。
駅弁として売り出しても人気が出そう。(6貫入り 800円)

今夏、石狩ブランド推進協議会が石狩産の食材を活用した
「我が家の自慢レシピ」コンテストを開催した。
地産地消をモットーに、新石狩ブランドの発掘と開発を展開する。
まだ世に出ていない家庭ならではの食べ方や新しい食べ方などを募集し、
それらが「石狩まるごとフェスタ2011」で発表された。

石狩にはきっと、まだまだご当地グルメの新アイデアがたくさん眠っているに違いない。
お披露目される日が待ち遠しい。

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雷神様、ごちそうさま

年の瀬の時期になると厚田ではハタハタ漁が始まる。
昔からハタハタの産卵場所になっているため、漁と飯寿司作りが盛んな地域だ。

ハタハタは時化と共に訪れるという。
漢名は「鰰、斑斑(ハタハタ)、雷魚・神鳴魚(カミナリウオ)」など。
ハタ科の魚はいずれも体表に「斑(ハタラ)」模様があり、
また、雷が轟く冬の厳しい頃、日本海沿岸に獲りきれないほどのハタハタの大群が押し寄せ、
‘‘雷神様がつかわした魚’’と信じられて「鰰(はたはた)」と呼ばれるようになったとか。

普段は水深250~300mの深海に生息するが、
晩秋から初冬にかけ、海藻に卵「ブリコ」を産みつけるために水深2~3m沿岸に移動。
ゴルフボールのような卵は海水に触れた瞬間硬くなる。

漁獲量は、昔に比べると磯焼けなどが原因で産卵場として減退の一途をたどったが、
その歯止め策に、港に打ち上げられたブリコを回収し、人工孵化増殖事業を展開。
このおかげでハタハタが再び厚田に戻ってきてくれている。

北陸地方が発祥とされる飯寿司は、
昔から伝わる保存食「なれずし(熟寿司)」の一種だ。
冷蔵庫のなかった時代、魚を長期保存するための知恵として生まれた。

最初は米を捨てて魚だけを食べていたが、
室町時代から「生なれずし」といって米も食べるようになった。
江戸時代に酢が出回るようになると発酵を省略して酢でご飯を味付けし、
今の「寿司」の原型が作られていったとか。

たくさんの水産会社がある中、飯寿司作りを見学しに
厚田漁港のすぐそばにあるマルナカ中村水産を特別訪問。

ハタハタの内臓を取って血抜きをし、酢漬けを一晩。
野菜や米、麹、酒などを混ぜ込みながら幾層にも敷き詰めていく。
その後、樽に重石をのせ、18℃に保たれた場所で熟成を待つ。

「天候や日々の温度変化に気を配り、「かもり」(麹が醗酵する時のガスによる泡)を
確かめながら、順調に発酵しているかどうかを見極めるのよ」
長年の経験から得た勘で、飯寿司の熟した時期を見定める中村さん。

米は厚田の新米を使う。
麹は、新篠津の農協に依頼し、理想のものが出来るまで何度も作り直してもらった。
遠方からの客も多く、小樽や釧路から足を運ぶファンもいるという。
各家庭ならではの味付けが伝承されているので、買う側にも味のこだわりがあるのだろう。

ハタハタのメスは完売し、現在はオスのみ販売。
他には紅鮭、白鮭、カジカ、ニシン、キンキ、カレイなど。
注文は来店か電話、FAX。受付時間は9:30~16:00まで。
有限会社マルナカ中村水産
所在:北海道石狩市厚田区厚田7

TEL  0133-78-2156
FAX  0133-78-2172

「鰰飯寿し」(オス)は1k3300円

中村さんちで漁師料理のハタハタ醤油汁をいただき、体はポカポカ。
帰り際に創業明治35年老舗和菓子店の宮崎一商店に立ち寄り、
田舎せんべいと一緒に売られているハタハタを型どったハタハタ最中を手土産に。
ハタハタは厚田に欠かせない魚のようだ。

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石狩の、明日に架ける橋

石狩は川のまち。
札幌方面から厚田へ抜けるルートで代表的な3つの大橋をめぐってみた。
国道231号を行く。
札幌との市境近く、茨戸地区にある石狩のカントリーサインを過ぎると
すぐに現れるのが、
茨戸川に架かる「茨戸大橋」。
 

札幌方面から流れてくる3本の川、
発寒川・創成川・伏篭川が茨戸川と合流する地点だ。
茨戸大橋は、1990(平成2)年完成、全長375m。
橋のたもとには、波をかたどったモニュメントが設置されている。
 

さらに国道231号を進行、
左に大きくカーブして生振(おやふる)バイバス(国道337号)と合流。
行く手に端正なハープ橋が見えてくる。「花畔(ばんなぐろ)大橋」だ。
構造的には「斜張橋(しゃちょうきょう)」と呼ばれ、
塔から斜めに張ったケーブルを橋桁に直接つなぎ支える橋を指す。
スレンダーな外観が特徴のハーブ橋は石狩のランドマークでもある。
 

花畔大橋の完成は茨戸大橋と同年の1990(平成2)年、全長230m。
片側3車線、大型トラックが行き交う大動脈の向こうに、手稲山が眺望できる。
近くで見ても、遠景でも絵になる橋だ。

国道231号と337号の重複区間である花畔大橋を渡り切ったところで、左車線へ。
厚田・留萌方面へ伸びる国道231号へ下る。
石狩湾新港地区の広い通りを北上。
やがて右手に「川の博物館」、左手に市民風車と石狩放水路が見えてくる。

川の博物館は、石狩川の治水資料館として1985(昭和60)年に開館。
石狩川の治水事業に関したパネルなどが展示され、
明治時代までにさかのぼる治水の歴史を学ぶことができる。
開館期間は4月末~9月末と、1月7日~2月末まで。
冬期間、博物館前の茨戸川が結氷し、ワカサギ釣りのカラフルなテントで埋め尽くされる。

石狩放水路は、川の博物館前を流れる茨戸川と石狩湾を直線で結ぶ水路。
茨戸川が大雨などによって急激に増水した際、
石狩川に流さぬよう直接日本海へ流す役割を持つ。
2011年9月の台風12号によって増水した際、水門が開放され、
浸水被害を軽減したニュースは記憶に新しい。

さらに国道231号を北上してみよう。
石狩最大の大橋、「石狩河口橋」が見えてきた。
 

北海道一の大河、石狩川の最も河口側に位置する斜張橋だ。
河川に架かる橋としては道内最長で、全長1412m、完成は1976(昭和51)年。
石狩の幹線道路をつなぐこれらの大橋は、石狩の明日に続く橋とも言えそうだ。

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厚田とくんせいと平賀さん

札幌方面から国道231号を北上すると厚田川にさしかかる。
その川に架かる小さな厚田橋を渡り、すぐ右折すると道道11号月形厚田線へと続く。
フロントガラスの向こうは寒々とした山並みと、時々出会う民家のみの山道。
車を進めること約10分、厚田区発足(はったり)にある「厚田くんせい」の看板に出会えた。

取材許可をもらう際、「厚田に貢献できることなら」と快く引き受けてくれた、
もとは札幌で暮らしていた作り主の平賀さん。
とにかく厚田に対して多大なる感謝と恩を抱く女性。

なぜ厚田に移住したのか。きっかけを伺った。
趣味の登山を介しながら「いつか住みたい場所」を探し続ける中、厚田と出会った。
そんなある日、平賀さんは死を予感させる病気に見舞われる。
「このまま人生を終わらせたくはない!私はもう一度、花を咲かせるんだ」
そんな強い想いからついに21年前、自然美あふれるこの厚田への移住を決意。

「相当の覚悟を胸に移り住んだよ。好きなだけじゃ生活できないからね。
右も左もわからない私に、厚田の方々が一から全てのことを教えてくれたの。
自然との関わり方や、農産物の育て方、漁業のこと、
そして、ありとあらゆる万物のものたちと共生していく厳しさと優しさ。
この燻製作りの良し悪しもたくさん教えてもらったわ。
こんな、なんにもわからない私にたくさんのことを与えてくれた厚田と地元の人に恩を返していきたいの」

また、自然との共生は様々なことに気づかされ、学ぶことも多いという。
「物を物としてじっと見つめることが大切。
食べ物もよくかんで、かみしめればその素材本来の味がわかる。
それが出来るようになったら、物事の本質がちゃんと見極められるようになるの。
都会にいると、そんなことは忘れて日々何かに追われ、
いつのまにか足元ばかりを見つめて生きていくようになりかねない。
物の見方は視点を変えれば色んな姿が浮かび上がるものよ」
と平賀さんは語る。

燻製作りは、息子さんがハム工場に従事してた頃に得た技術を伝授してもらい、
札幌在住の頃から趣味でやっていたという。
それを厚田生活の糧とした。
「私にとって燻製は人生の副産物でしかない」
と言いきる。
人々との関係を繋いでくれる、いわば‘‘道具’’にすぎない。

燻煙はチップではなく、地元の木材業者からいただく桜や胡桃、柏などの原木を使う。
処分しなければならない木材を譲り受けるお礼に燻製を、という持ちつ持たれつの関係だ。
素材も新鮮な厚田の海産物中心で、
サケ、ニシン、ホッケ、サンマ、カレイ、カスベ、サバ、タコ、玉子やサケの白子の燻製など、
それぞれの味を活かすように工夫している。

作り方は、内臓をきれいに取り除いて塩をふり、天日干しをして燻製小屋で数日かけじっくりといぶし上げる。
味付けは天日干しの岩塩だけ。
いたってシンプルだが、半生にするには水分の調整が難しいそうだ。
半生タイプの軟らかな食感で、いぶした香りが強く、素材の風味が引き立つ。
酒のつまみはもちろん、ご飯にもあう。

平賀さんは常に心に留めておくことがある。
「右手に自分の夢を持ち、左手で成すべき事をする。
そうすれば、きっと叶えることができるはず。それにアレもコレもなんていらない。
シンプルな生き方で十分に楽しいわ。
私はそれらの夢を叶えてくれる厚田が大好き」
「私の歩んだ人生に間違いはなかったと確信している」、と満面の笑顔で語る中、
強く静かな信念の宿る瞳がとても印象的だった。

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